Tuesday, December 25, 2012

日本発、独創の30年史「Future Beauty」展

1980年代を境に女性の体の線を強調した欧米の華やかな服作りがガラリと変わった。
 パリコレクションに川久保玲さんや山本耀司さんら日本人デザイナーが登場し黒一色のドレスや裾がほつれた服を見せ、流行に影響を与えたからだ。
カラフルな色彩が特徴のネ・ネット(2009―10年秋冬)
それから約30年の日本ファッションの変遷をたどった「Future Beauty 日本ファッションの未来性」展が10月8日まで東京都現代美術館で開かれている。37ブランド計約100点を展示している。
アシードンクラウド(2011年春夏)の服は、架空の職業や生活の一場面がテーマ
それから約30年の日本ファッションの変遷をたどった「Future Beauty 日本ファッションの未来性」展が10月8日まで東京都現代美術館で開かれている。37ブランド計約100点を展示している。
「伝統と革新」コーナーにはコム・デ・ギャルソンの造形的な服も並ぶ(左が1997年春夏、右が2010年春夏)

 それから約30年の日本ファッションの変遷をたどった「Future Beauty 日本ファッションの未来性」展が10月8日まで東京都現代美術館で開かれている。37ブランド計約100点を展示している。
 例えば、「平面性」のコーナーでは畳むと平らになる和服の構造に触発されたデザイナーの作品を見せている。三宅一生さんの「プリーツプリーズ」はマネキンに着せず、服が紙に挟まれて平板になった製造過程の状態で展示している。
 デ ビューから間もない若手の服を数多く取り上げた「日常にひそむ物語」のコーナーも見所の一つ。2009年にスタートした「アシードンクラウド」 というブランドは、架空の職業を設定し、そこに登場する人の生活に沿った服を発表。シャツの袖口の裏側に「眼鏡拭き用」として鹿の革を付けるなど遊び心が ある。
 このコーナーに展示されている他のブランドの多くも見た目の奇抜さを強調するのではなく、着る人の日常に寄り添い、細部にこだわった創作をしている。
 企 画を担当した京都服飾文化研究財団チーフキュレーターの深井晃子さんは「独創的な日本のスタイルは世界から注目を浴びてきた。若手の視点もユ ニーク。展示を通し、日本ファッションのエッセンスを感じてもらい、私たちと服の関係を考えるきっかけにしてもらいたい」と話している。(生活情報部・野 倉早奈恵)

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